第63回奥州南部鉄器展 入賞者 発表!

奥州市南部鉄器まつりでは、毎年、組合員から新作品を募集し奥州南部鉄器展を行っております。

 今年の応募総数は19作品。審査員は、長嶋 宏之氏(岩手県工業技術センター産業デザイン部上席専門研究員)、岩清水 康二氏(岩手県工業技術センター素形材プロセス技術部主査専門研究員)のお二人でした。

昨年から始まった「話題賞」は、南部鉄器まつりにご来場の皆さまの投票数によって選ばれました。

■岩手県知事賞  

Lilac  

佐々木 奈美

一目見て「きれい」な鉄瓶と思います。本体、鉉、注ぎ口、ツマミ、それぞれがバランスを保って調和しています。細部の仕上げも、いつも通りの丁寧な仕事で隙がありません。特に蓋の合いは姥口ですが見事です。文様は作品名の「ライラック」がすっきりと表現されており目を引きます。

■奥州市長賞  

唐獅子

下野 典行

なんと言っても主題である唐獅子のツマミに目が行きます。そして、少し荒々しく、阿弥陀堂釜風の力強い形をした本体もツマミを引き立てています。とは言え、直径は20cm程度の使いやすいサイズで、何だか可愛らしさを感じるところも魅力的です。

■奥州市議会議長賞 

南部鉄器フライパン 麻の 

㈱及富

よく見るシンプルなフライパン、スキレットかと思いきや、よくよく見るとハンドルの裏側に指掛けがつけてあったり、使い勝手にこだわってデザインした様子を感じました。内側の麻の葉模様や表面仕上げも美しく、人気が出そうです。

■奥州商工会議所会頭賞  

砂鉄鉄瓶 棗型「桜回廊」(Sakura Gallery)

及川 光正

棗形で桜文、砂鉄の磨き仕上げという、あえて、オーソドックスな組み合わせという難しい主題に挑戦されたことに感服いたしました。その存在感から製作の労力が窺い知れます。

■(一社)奥州市観光物産協会会長賞  

急須 龍 0.8ℓ 

(有)及春鋳造所造

一見、キワモノ的な作品ですが、注ぎ口を動物に模した鉄瓶は昔から見られますし、水の神様である龍を急須に閉じ込めたようで楽しい作品だと思いました。土産物として海外の方の目も引くのではないかと思い、選びました。

奨励賞 

道風形百合鉄瓶

菊池 真吾

口から胴のしなやかな曲線や注ぎ口の姿、形など、全体的なプロポーション、バランスが良いと感じました。ただ惜しいのは、折角の文様が見えないこと、細かい部分の仕上げがもっと丁寧であればと思い、奨励賞とさせていただきました。

■話題賞 

砂鉄鉄瓶 棗型「桜回廊」(Sakura Gallery) 

及川 光正

南部鉄器まつりにご来場の皆さまからの投票では、こちらの作品が1位になりました!「伝統を残しつつ新しい風を感じました」「きらきらしてきれいだから」「鉄とステンの調和が良い」といった感想が寄せられました。

2023年10月12日