第65回奥州南部鉄器展 入賞者発表!

奥州市南部鉄器まつりでは、毎年、組合員のみなさんから新作品を募集し奥州南部鉄器展を行っております。

 今年の応募総数は13作品。審査員は、長嶋 宏之氏(岩手県工業技術センター 産業デザイン部 部長)と大田 彩子氏(岩手県工業技術センター 素形材プロセス技術部 主任専門研究員)。

「話題賞」は、南部鉄器まつりにご来場の皆さまの投票数によって選ばれました。

■岩手県知事賞  

かまくらけとる  

鉄瓶遊山

マットな表面処理、ワンポイントの加飾、シンプルで穏やかな形状の鉄瓶は、見るものをほっとさせる魅力があると思いました。軽い重量と手ごろなサイズから使い勝手も非常に良いと思われます。蓋のつまみは断熱性のある別素材(革?)で作られており、細部にも気を使われていることが分かります。

■奥州市長賞  

鉄瓶 六花 (りっか)

南部鉄器工房村咲

表面に施された雪の文様や、カットガラスのようなツマミなど、冬を思わせる独特の透明感、空気感を感じさせる鉄瓶です。とは言え、鉄瓶の持つ温かみも感じさせるので寒い季節の温かい雰囲気を思い浮かべます。

■奥州市議会議長賞 

豪炎(ごうか)フライパン24cm

及精鋳造所造所

不足もなく無駄もない形状。見ただけでいろいろな料理、調理法を想像してしまうことがこの作品の特徴です。実際に手に取ってみると、一般的な鋳造製フライパンと比べて重量は大変軽く、ハンドルの形状、側面の高さなどにも使いやすさの追求が感じられます。

■奥州商工会議所会頭賞  

角丸型鉄瓶 IGETA(イゲタ)

㈱及富

継ぎ目の見えない2重構造で、「四ツ目編み」を再現したような「透かし」の胴部は、今までの方法では不可能と思われる形状を見事に実体化し、3Dデジタル技術活用の最先端を示したと思います。透かし内部の仕上げも抜かりなく丁寧な仕事を感じました。

■(一社)奥州市観光物産協会会長賞  

歩き出す鉄瓶を乗りこなすおうしゅうたろう

(株)及富

話題のキャラクターの愉快なイラストを忠実に再現した楽しい作品です。キャラクター自体の再現度、「しがみつき」の再現アイデア(磁石)も秀逸ですが、特に「足」の再現度が非常に高く、リアリティのある情景が目の前に広がります。

 

■(一社)奥州市観光物産協会会長賞  

ふたっと 鉄ビンのフタスタンド

サカモト商会

アイデアにハッとさせられました。鉄瓶のフタをどこに置くかという、小さいコトですが長年の難題に、シンプルな解決法で実現されていることを評価いたしました。くぼみのあるつまみなら挟むだけで使えるという機能性も良いと思います。

■話題賞 

歩き出す鉄瓶を乗りこなすおうしゅうたろう

(株)及富

南部鉄器まつりにご来場の皆さまからの投票では、こちらの作品が1位になりました!「かわいい」「歩き出す五徳がおもしろい」「躍動感ある台の脚が良い」「斬新なデザイン、遊び心がある」「イラストがそのまま鉄器になっていてすごい」といった感想が寄せられました。



作品は南部鉄器まつりで展示していました。会期中1日目の終わりに、作品の破損を確認。おうしゅうたろうの耳が両方欠けていました。「作品には手を触れないでください」の掲示をしていましたが、どうしても触ってみたかった方がいたようです。そこで、2日目は展示台をトラ模様の規制線でぐるっと囲みました。さすがに規制線をくぐって作品に触れる方はいませんでしたが、物々しい雰囲気になってしまいました。来年はアクリル板の設置を検討中です。マナーは守っていただきたいものですね。

2025年10月16日